Spartan
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Acknowledgements
Scope of this Guide
Table of Contents
SECTION I
  Chapter 1
SECTION II
  Chapter 2
  Chapter 3
  Chapter 4
  Chapter 5
  Chapter 6
  Chapter 7
SECTION III
  Chapter 8
  Chapter 9
  Chapter 10
  Chapter 11
  Chapter 12
  Chapter 13
  Chapter 14
  Chapter 15
  Chapter 16
  Chapter 17
APPENDIX A
APPENDIX B
APPENDIX C
APPENDIX D
APPENDIX E
Index
Chapter 5 - 有機反応(Organic Reactions)
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この章では、有機反応の遷移状態の探索と検証の仕方について概略を説明し実例を示します。そして置換基や反応物の立体化学が変わると生成物の分布がどう変化するか調べる方法についても説明します。

化学反応を取り扱うことは量子化学的手法の応用においては全く新しい次元になります。一般に固有の原子価構造が“通常”の分子には書くことができて、これらの構造に基づいて合理的な結合長や結合角を推測することができます。一方、可能であっても遷移状態には適切な原子価構造を推測することは困難であり、まして詳細な構造パラメータを与えることはできません。この理由の大半は遷移状態の構造に関する実測データが完全に欠如しているためです。しかし計算で得た遷移状態の構造は今やありふれたものになっています。Spartan'02は、計算済の遷移状態の構造の広範囲にわたるライブラリーを持っています。また、ライブラリーに登録されている遷移状態の構造から手元にある反応にできるだけ近いものを選択する機能を備えています。*
Spartan'02ではユーザーが指定した座標を”駆動する”手法も提供しています。コンホメーション解析(前章における過酸化ジメチルの内部回転を参照)を除くと、このような方法の主な用途は反応を”強制的に進行させて”、それによって遷移状態を見いだすことです。
本章のチュートリアルでは、有機反応の遷移状態を推定する手順を説明し、それから遷移状態を実際に探索して検証します。遷移状態を経由して反応を”駆動する”手順についても説明します。最後に、関連した反応の情報を集めて、速度論的な生成物の分布を割り当てる方法に取り組みます。


   
* Spartan'02のライブラリーに未登録の反応では反応物の構造と生成物の構造を平均するいわゆる線形同時トランジット法(linear synchronous transit method)と同様の代替の方法が用いられます.